適応障害

著名人がこの診断を受けたということもあり注目が集まっているかなと思い、適応障害について少しまとめてみます。

適応障害を簡単に説明しますと、①ストレスによる気持ちや行動面の症状が、②ストレス因に釣り合わないほどの強さか、社会生活上に支障が生じるほどの強さで出ているものです。

期間と鑑別診断

ストレス因が発生してから3ヶ月以内に生じて、ストレス因が取り除かれてから6ヶ月以上は持続しないものとされています。

鑑別診断とは、見分けるべき他の疾患ということですが、「すべての精神障害」とされています。

つまり、うつ病やPTSD、その他すべての精神疾患の可能性を除外したうえで診断されるものということです。

治療と気をつけたいこと

精神療法(カウンセリング)あるいは、ストレス因とされる環境調整を図ることもあるでしょう。

ここで2つの気をつけたいことに触れます。

ひとつは、上にも書いたように他の疾患の可能性を常に頭に置いておくということです。適応障害と診断されたが、実は他の疾患であった場合、必要な治療を受けられないままに本人が苦しみ続けることになってしまいます。そのためにも6ヶ月以上続くものではないということは覚えておきたい数字です。

もうひとつは、本人が悪いわけではないということです。周りからすると、「そんなことで落ち込んでしまうの」と見えることもあるかもしれません。しかし、ストレスの許容度(コップをイメージしてみてください)は人によって異なるのです。全く同じ環境にいても、平然としていられる人もいれば、苦痛を感じながらも耐えている人もいるのです。

周囲の人、あるいは自身に対して「あれ?」と感じたら早めに相談しましょう。そして相談を受けた側は、「そんなことで?」なんて思わずに受け止めてほしいと思います。

参考:松崎朝樹監訳(2016)『精神科診断戦略ーモリソン先生のDSM-5®徹底攻略case130』医学書院

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